一般財団法人 土屋組環境教育振興財団
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より住みやすい住環境の実現、さらにはかけがえのない地球を守るために。私たちは自然環境復元の研究、実験を日々行っています。

土屋環境教育振興財団の研究活動

金生山(きんしょうざん)緑化復元実験地
土屋環境教育振興財団では、
自然環境復元の実験をしています。
大垣市北西部にある石灰鉱山金生山(きんしょうざん)の採掘場跡地を三星砿業(株)と矢橋工業(株)からお借りし、もともとの景観である樹林へ復元する実験を行っています。
  金生山(きんしょうざん)緑化復元実験地

金生山の特徴
場所は、岐阜県大垣市赤坂町です。
江戸時代から消石灰の採掘が行われている鉱山で、二畳紀のフズリナなどの化石が産出します。
常緑照葉樹林を潜在的性質に持ちますが、戦後しばらくの間、入植が行われていたため、落葉樹の二次林が広く見られます。その名残として、いたるところで、ナンテンやビワの木が生育しています。
石灰岩産地であるため、陸産貝類(カタツムリ)が多く生息しています。
山の東面には明星輪寺が建てられています。一般には、こくぞう(虚空蔵)さんの名で親しまれ、7世紀の創建と伝えられています。
明星輪寺周辺の陸産貝類は、岐阜県の天然記念物に指定されています。
陸産貝類をエサとするヒメボタルが生息しています。


調査研究の流れ
この調査研究は、三星砿業(株)と矢橋林業(株)の協力を得て進めております。


実験地着手前の状態
岩盤の上に破砕物が乗った土壌のない土地でした。
透水性が高く、降雨は地下に浸透していくため、非常に乾燥していました。
現況では草本植物がまばらに生育するのみ。木本はアカメガシワ、ヌルデ、コマツナギなど典型的な先駆植物の幼木がわずかに見られます。

実験着手以前:2000年7月時点
実験着手以前:2000年7月時点

調査研究の進行
事前の調査で金生山は本来、常緑広葉樹の樹林を形成すると予想されました。
一方、陸産貝類の生息条件として落葉広葉樹で構成される樹林が必要でした。


林の落ち葉の中の生物を選別捕獲
林の落ち葉の中の生物を選別捕獲

土壌生物の個体数を数える。
土壌生物の個体数を数える。
樹木調査
樹木調査

施設設計

将来的には陸産貝類が生息できる落葉樹が優占する樹林の復元を目指します。
乾燥防止を図り、速やかに樹林を形成
外部から土や樹木を持ち込まず、金生山産の土壌を使用し長期計画で森林復元
天水のみで水やりはせず、最小限の人為的管理

私たちは、金生山にて乾燥地を緑地へ変える実験を進めています
乾燥を抑えることを主目的に設計された実験施設です。当初は草原化を目指し、以降、数年かけて樹林に変化していくことを期待しています。   将来的には陸産貝類が生息できる落葉樹が優占する樹林の復元を目指します。

金生山緑化復元実験地に於ける追跡調査(1年後)
施設施工が終了し、1年を経過した金生山緑化復元実験地に於ける生態調査を追跡して参りました。模擬森林内にて、森林表土から発芽したコナラ等の樹木が芽生え始めています。また、林床内の環境を意識的に創出した為、通常の環境では生育出来ないフユイチゴ等の林床植物の生育に成功しました。今後は模擬森林内の物理環境を把握し、その環境要因を生態学的視点から解析するつもりです。   植生調査状況
植生調査状況

金生山緑化復元実験地に於ける追跡調査(2年後)
施設施工が終了し、2年を経過した金生山緑化復元実験地に於ける生態調査を追跡して参りました。模擬森林内にて、森林表土から発芽したコナラ等の樹木が育ち始めています。
物理指標の把握から、粗朶を利用した模擬森林内の環境は森林内部特有の日照条件を持ち合わせており、林内環境に近い環境を作り出す事に成功しました。
 
植生調査状況

金生山緑化復元実験地に於ける追跡調査(3年後)
3年を経過した金生山緑化復元実験地に於ける生態調査を追跡調査して参りました。粗朶でドーム状に作り上げた模擬森林内では、コナラ等の樹木の生育が良好です。   植生調査状況
植生調査状況

金生山緑化復元実験地に於ける追跡調査(4年後)
4年を経過した金生山緑化復元実験地における生態を追跡調査してきました。粗朶でドーム状に作り上げた模擬森林内では、コナラ等の樹木が順調に成長しています。また林内環境に於ける林床植物の生育も良好です。   植生調査状況
植生調査状況

当実験地の見学をご希望の方は、事前に当財団までご連絡ください。
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